私がFPとしての機能を有して仕事をしていると、よくこの相談をされることがあります。

固定資産税って安くならないですか?
固定資産税を減らす方法ってありますか?
この気持ち、よく分かります。
固定資産税って、毎月生活していくための収支レベルで考えると、結構高く感じますもんね。
家や土地を持っていて、その家で暮らしていれば、
この家や土地の時価で計算されて税金をかけられていれば、
それをたった「1%でいいからちょうだいね!」って言われたとしても、
時価が1000万円だったら、10万円支払うんですよ。
月々に割っても、毎月/¥8,333も支払うことになれば、
携帯電話代やプロバイダー代や保険料と同じように、
できるなら抑えたいレベルのモノですよね。
そんな固定資産税って、そもそも安くする方法はあるのでしょうか?
今回は、その誰もが重たいと感じてしまう固定資産税のアレコレと、
その税の対策方法はあるのかをお伝えしたいと思います。
※この情報に関しての数字の基準日は、2021年1月1日現在となります。
実は、住宅にかかる税金自体を後から安くすることは極めて難しい

自分達が家を買って所有したら、住宅に関わる(その家屋やそれを建てている土地など)税金が発生しますが、
実は、この税金を直接減税することはできません。
以上です!…って言ってしまったらそれまでなんですが、
そこからが私達FPの、腕の見せ所。
そのお金の問題は、その他のお金をコントロールすることで、
遠回しにでも解決する方法を発明するのがFPなんです。
そのためには、この持ち家にかかる税金の内容や特徴、
その他にも、すでに発生している効果などをしっかりと把握しておくことで、
結果的に支払いを軽くすることに繋げることができるので、
まずはこちらを押さえておいて頂けたらと思います。
そもそも、持ち家にかかる税金とは

自分達が建てた家や、誰かが作った家を買って住んだら、その家に対して2つの税金が発生します。
それは、固定資産税と都市計画税です。
なぜ家に税金がかけられてしまうのかというと、
仮にその家を売って現金化した場合、巨額な金額を手にすることになるので、
売らなくても持っていれば、その現金と同じ価値があることになり、
巨額な財産を持っていることとみなされるためです。
もちろん、その家を建てている土地も買っていれば、土地にも同様に発生します。
ここでこの、家と土地にかかる2つの税金について詳しく解説します。
固定資産税
固定資産税とは、土地や家屋、その他に減価償却がある資産に対してかけられる税金で、
それらを所有している人(名義人)に支払う義務が発生するものです。
この税金の金額は、それらの資産の現在価格(固定資産税評価額)に税率をかけて計算し算出されます。
この固定資産税の標準税率は、1.4%となっていて、市町村ごとに差があったり、定期的に見直されることがあります。
都市計画税
都市計画税とは、都道府県や市町村が指定している都市計画区域内にある、土地や家屋に対してかけられる税金で、
それらを所有している人(名義人)に支払う義務が発生するものです。
この税金の金額も、それらの資産の現在価格(固定資産税評価額)に税率をかけて計算し算出されます。
この都市計画税の税率は0.3%と決められていて、これより高くなることはありません。
固定資産税と都市計画税の税額の決め方
この2つの税金は、固定資産税評価額に税率をかけて算出すると伝えましたが、
その税額の決め方として、ありとあらゆる不動産の価格基準である、
「公示価格」と呼ばれる、国土交通省が決める土地取引の指標価格を基にして決めて行きます。
その後、その公示価格の70%ほどを固定資産税評価額として設定し、
その設定した評価額に対してそれぞれの税率をかけて、固定資産税額と都市計画税額を決定します。
実はすでに固定資産税は優遇されている

実は固定資産税はすでに(都市計画税も)、その家屋を建てている土地に対して、優遇措置が施されて(減税されて)いるって知っていましたか?
そう聞けば、それでも安くなっているんだなあと納得できたり、
そうなっていても、まだ減らしたいんだからと残念になったり、
それぞれ捉え方があると思います。
ただ、その優遇の具合を知っておくだけでも、これからの向き合い方のコツが分かったり、
他の税金を節税したりできることへのヒントに繋がったりと、
何かの知恵が生まれるきっかけになることもあったりするので、
この固定資産税(都市計画税)の優遇措置の概要もお伝えしておきますね。
固定資産税の優遇具合はこうなっている
この固定資産税の優遇措置は、家を建てている土地に対してのみ適用となっていまして、
となります。
この特例の対象となる土地の面積の上限は、建てた家屋の床面積の10倍までとなります。
都市計画税の優遇具合はこうなっている
そして都市計画税の優遇措置も、家を建てている土地に対してのみ適用となっていまして、
となります。
この特例の対象となる土地の面積の上限も、建てた家屋の床面積の10倍までとなります。
新築であればさらに優遇が適用される
その他にも特別に、下の条件に該当する新築の家屋に対して適用される優遇措置があります。
これが適用となる場合、土地のみならず住宅も優遇されることになるので、より軽減効果がありますね。
なお、この新築家屋への優遇措置は、固定資産税のみに適用されるものなので、
都市計画税に対しては、減額優遇の適用がありません。
住宅に関することで、節税できるものがある

このように、居住用の土地と家屋には、すでに減税優遇措置が取られていたんですね。
でも、「そうか、もともとから少なめにしてくれてたのか。」とオチがあったとしても、
それからどうできるのかをまだまだ考えると思います。
そんな時、住居費用も結果的には生活支出の一部ということで含めて考えるようにすると、
生活にかかる他の税金を安くすれば、負担を減らせることになりませんか?
実は、住宅にかかる税金ではないですが、所得税と住民税を安くする方法がありまして、
住宅ローン控除と活用するという方法があります。
住宅ローン控除とは、個人が住宅ローンを利用して、
新築や中古の住宅を取得したり、住宅を増改築した場合に、
所得税の控除を受けることができる制度です。
そして、結果的に住民税も節税に至ります。
この控除額の計算ですが、返済中の住宅ローンの各年の年末時点での残高に、控除率をかけて算出されます。
その控除率とは、年末のローン残高の1%となりまして、
この控除が適用できる期間は、借入した年度から10年間となります。
(正しくは現在、13年間の適用となっていますが、特例実施中による期間延長措置のため、従来の10年間で解説しています)
ただし、この住宅ローン控除を適用できるのは、以下の条件に該当する住宅となりまして、その要件はこちらとなります。
これは、住宅と同時に購入した土地の分も控除が適用されます。
そして、この控除が受けられる人にも条件がありまして、
となっています。
ちなみにこれらは、自分達が家を買って所有するだけでは適用されず、その家に住んでいることが必要となります。
こうすれば税金負担を軽くすることができる

結論、固定資産税と都市計画税は、いざ支払うようになってからは、そのもの自体を安くすることはできないけど、
それなら、他の支出を下げたり他で収入を上げたりして、楽に支払えるようにしてやれば、結果的に対策ができることになります。
もっと突っ込んで考えれば、住宅にかかる税金は、
住宅に関連する他の節税効果を利用したり、住宅に関連する費用自体を削減して、
住宅関連費としてまとめた形で視ることで、税金への負担を下げることができたと考えることができるということです。
その具体的方法としては、例えば可能であれば、住宅の建替や増改築をして、
住宅ローン控除を上手く活用する
住宅ローン自体を見直す
などがあります。
その結果、またしても大きなお金を投資することになるので、それが絶対オススメとはいいませんが、
例えば、次の代まで持ち家を継承する将来を考えていたり、どちらにせよどこかで住宅ローンの借換を考えた方がいいキャッシュフローだった時は、
それをきっかけに、しっかりと資金計画(ファイナンシャルプランニング)をして診断結果を出し、将来において住宅やローンを見直すことは可能だと答えが出るなら、
思い切って行動して、それによって住宅に対する支払を改めて整え、
そのより良くなった住宅で快適な暮らしをしていった方が、心もお金もどんどん健康になっていくことでしょう。
がんじがらめでしんどい想いをしているピンチな今だから、
何かよりいい方向に行動できないだろうかとチャンスを得られている今だと捉え、
考えを置き換えたり、物事を変えたりする時かもしれません。
私の家庭も、代々に積みあがった借金が返せれていなくて、もう自己破産しかない状況だった時に、母親が大きな交通事故をしたことがあり、
そのことがきっかけで、家計管理を私にバトンタッチすることになったのですが、
それをチャンスにしてしっかりと家計を見直してみたことで、
その結果、資産が守れるようにまで回復したことがありました。
ピンチの中にあったチャンスと出会えたことで、今まで通りなことから形を変えられ、
それから新しいアイデアが見つかったりして、解決まで進めたんですね。
なので、その問題に直接の解決策が見つからない場合は、
関連する周りのことに視点を向けながら、間接的に問題を緩和することができないかも考えてみてください。
もし、その糸口が見当たらない時は一度、私達FPに気軽に相談してみてくださいね。
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