皆さんはお家でカメを飼っていたりしますか?
そう、あのカメです。
硬い甲羅が胴体になっているあの動物のことですね。
どうしてカメが相続に関係するのか。
ご存じの通り、カメはとても長生きする動物だからです。
鶴は千年、亀は万年と言われる通り、カメの寿命はだいたい150年〜160年です。
ということは、人間の平均寿命を軽く超えてしまうため、
飼い主が亡くなってしまったその後は、誰がカメを引き継ぐのかを決めないといけません。
何十年にも亘って飼育されてきた家ガメが、今更野良に戻れるわけがないので、
次の代の者がちゃんと責任をもって飼い続けて行く必要がありますしね。
なんでカメのことをコラムにした記事を書いているのかというと、
ウチに1匹、クサガメが居るんです。
そのカメは、私が13歳の時に我が家にやってきました。
そして2021年現在(私39歳)まで、普通に一緒に暮らしています。
ウチに来た当初は、500円玉ほどの大きさでしたが、
今じゃ手のひらサイズにまでなっています。
それではどうしてカメを相続財産としてみなすことがあるのかを、
相続という法定行為の視点から見て面白く解説していきたいと思います。
カメは相続財産の対象となることがある

亀、それは、爬虫類です。
基本的にはこれといって、特に財産になるものではありません。
正直、カメはお金に困った時や売却益を狙って投資したことによって将来換金するものではないですしね。
では、これを敢えて財産とみなしてみたら、どのような感じになるでしょうか。
例えば、今まで餌を与えて来た期間を計算して、その餌代を合計したら、
150年で何百万円にもなると思うのですが、
そのくらい課金されて来て、かつその行為によって成長していったとなれば、
価値がそのくらいにまでなると計算しても妥当だとみなしていいわけです。
他にも仮に、そのカメが時代を得て絶滅危惧種のようになって希少な種となれば、
カメの取引相場が上がることだって考えられます。
となれば、純金や株式や不動産のように、価格自体が変動し、
価値が上がれば売却時に、キャピタルゲイン(売却益)が発生します。
このような場合、言うなれば、金融資産とも例えられるのです。
であれば、150年も生きて行くのなら、超長期な運用資産となってもおかしくはないですよね。
なので、相続財産とされて、相続の対象とみなすことだってありえるのです。
相続の具体的な留意点とは
ここで、相続において気を付けておくべき点をお伝えしておきます。
相続税の納税
現金や不動産のような価値がある物を所有していた者が、
その財産を他の者にあげたり売ったりした時には、
貸借という概念が発生することから、必ず税金がかけられます。
税金には、課税される部分と課税されない部分があるのですが、
課税される部分については、税額が算出され、その額を納税しなければなりません。
相続では、亡くなった方から財産が譲渡されるので、相続税が発生します。
この相続税の納税資金を、現金で確保しておくべき必要がありまして、
相続税は原則、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に、現金で納付することになっています。
これがもし、現金で納付することができない場合には、物納といって、
相続や遺贈によって取得した財産(株式や不動産)を差し出すことで納税することができます。
ですが、この物納を選択せざるを得ない状況となった時、
財産がもし、亡くなった方と同居していた持ち家しか無かった場合、どうなると思いますか?
お分かりの通り、相続税の納税の為に持ち家を売却することになるのです。
(物納は、納税額より評価額が高い財産を差し出した時には、差額が金銭で還付されます)
そうなれば、現在の住まいを失ってしまうリスクがあり、
今までとは違う生活環境となる、賃貸物件などへの転居を強いられることになってしまいます。
そのようなことにならないようにするためには、加入してすぐに死亡してしまった場合でも
設定した金額がしったりと用意できる、生命保険を利用して納税資金を備えておけばいいのです。
生命保険で受け取る死亡保険金には、他の相続財産と合算して相続税を計算しない部分があります。
いわゆる、非課税額が与えられているのです。
この死亡保険金の非課税額は、
500万円×法定相続人の数
となっています。
なので、最低でも500万円は確実に、納税資金として確保できるわけですね。
遺言による受遺者の指定
相続では、所有権や名義などの権利といわれる物も相続財産となるのですが、
これらの財産は、法定相続人の間で分割して相続することが、極めて難しい物になります。
株式や不動産もそうですが、現金化して財産を相続分で分け合うことが可能であったとしても、
事業の継承や不動産を継承することにおいては、引き続きその権利を取り扱える者に渡さないと、
継承後の運営が上手くいかずに破綻する恐れが考えられるからです。
それと、法定相続人とされる者に対しては、たとえ遺言で財産を特定のものに遺贈したとしても、
結局は遺留分というものがあり、それぞれに最低限の持ち分を分与しなければならないようになっているのですが、
相続財産の価値の大半が、その権利に集中していた場合、
それを一人の相続人だけが遺贈を受けた際には、この遺留分を各相続人に分け与えられなくなることがあります。
もし遺留分を他の相続人に分け与えることができない場合は、この大切な権利でさえ売却して現金化し、遺産分割をしなければならなくなるのです。
それを防止するために、こちらも生命保険を活用し、死亡保険金としてお金を確保しておいて、
分割できない財産を特定の者が受け取った場合に、代わりに現金で分割をし、
遺留分や相続分を、他の相続人に相続させることができるのです。
これを代償分割といいます。
そして、生命保険は、遺言と同じように、
特定の受取人を指定することができるので、
相続分で分け合わなくていい財産とできます。
なので、遺産分割資金として有効活用できる強みがあるのです。
生命保険の凄さ
というわけで、相続の現場では生命保険の活用が絶大な効力を発揮することがお分かりいただけたでしょうか?
死亡保険金は、保険金を税金に持っていかれないようにできたり、
ちゃんと確実に分割資金を用意できたりと、
せっかく相続した財産を売却までして、相続税や遺産分割の費用を用意しないでいいようにできるのです。
こちらの記事にて、死亡保障の必要性とその効果や、どんなことに利用するのがいいのかを書いていますので、合わせてこちらもチェックしてみてください。
このように、死亡したことによる必要な資金とは、遺族への生活費のみならず、
相続における納税や、財産の分割や、故人の負債の精算など、
多岐に亘るものなのです。
カメを相続させるためには、遺言で相続人を指定する

ということで、カメは遺産分割できないので、被相続人は遺言で
相続人を指定して相続させ、代償分割することを考えておかなければなりません。
これはあくまでも、カメが相続財産としてみなされて、相続税評価額が出た場合の話です。
他に別の話としても、被相続人(相続をさせる人=亡くなった人)がずっと飼っていた場合、
カメは飼い主の顔を覚えては追いかけてくる習性があり、
そのカメはその飼い主の飼い方(餌のやり方や冬眠のさせ方)が馴染んでしまうことから、
その飼い方をよく知っている人物に飼ってもらわないといけないので、
それが託せられる者を遺言で指定しておく必要があります。
ほんと、カメは顔を覚えてくれる割には、生活環境がちょっとでも変わったら、
結局はアホなのか、なかなか馴染んでくれないので、
それを生前に教えている人や、引継ぎがされている人に託すことが大切です。
ちょっと、水がワリと早く汚れるからと思って、濾過機を設置した日にゃ、
幾度となくさっそく蹴り倒されて、毎度使い物にならないくらい訳が分からないことがあるので、
ちゃんと遺言をして、よく知った人に継承してもらうようにしましょう(笑)
補足:カメの飼い方

カメはよく、ひなたぼっこをします。
これをカメでは、「甲羅干し」といいまして、
太陽の光を浴びて、体内でビタミンを生成し、
日頃の生命維持や、冬眠に備えたりします。
これが家ガメだと、水槽の設置場所によって日が差し込みにくかったりすると、
うまく甲羅干しができず、弱ったり、越冬できずに冬眠したまま息絶えたりしてしまうので、
その時は、バスキングライトを使用して、日光浴ができるようにしてあげます。
ここで使用するライトは、明かりが灯ればなんでもいいってわけではありません。
ホームセンターでよく並んでいる、LEDライトではダメです。
なぜなら、LEDでは紫外線が発生しないため、
カメが自身の体内でビタミンを生成することができません。
紫外線UVB波の出るライトである必要があります。
後は、水槽に砂利をひいて、水面から上がれるように大きな石などで島を作ってやり、
井戸水かカルキ抜きで中和した水道水を、体が浸かるくらいまで入れてやっておけばOKです!
まとめ:相続は、その財産を次に誰が所有するのかをなるべく指定しておくこと

相続は、家族や親族同志で本当にもめますし、査定や処理手続きが非常に複雑で厄介です。
なんせ、普段生活上で動かしていることのない、桁を超えた金額のお金が
非常に短期間で一気に動く訳なので、誰も適切に処理できないのですから。
なので、相続はちゃんと事前に備えておいて対策をしておかないと、
相続争いなどの大事故が発生しやすいです。
親の死をきっかけに、兄弟が決別をすることになったなんて話、
週刊誌のネタにされるレベルですしね。
ということで、今回のカメを例にしたケースでは、
が要点となります。
今回のカメのように、カメだけはこの者に相続させたいなどの理由があれば、
受遺者を指定したい財産が個別単位である時は、
遺言で指定しておき、生命保険をかけておき、
死亡保険金の受取人その者に指定しておけばOKです。
しかしカメは、哺乳類動物のナマケモノのようにゆるいので可愛いですよ。
けど、結構起きてますし、よくヘンなタイミングで寝たりしています。
まあ、冬だけは基本ずっと寝ているので、その間だけはオフですが。
んー、けど、カメは財産ではなく、家族と言った方が正しいですね(‘ω’)
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