皆さんは、大きなお買い物をした時、一括で支払いますか?分割で支払いますか?
支払いの形に、一回で全額支払ったり、毎年や毎月に分割して支払ったりと、
その形式を選べることがありますよね。
例えば、大きな金額となる買物をするときには、クレジットを利用して毎月分割払いで支払ったり、
保険料の支払いをするときには、合計保険料を一括で支払ったり、年ごとや月ごとに支払ったり。
生活の仕方や生計のやりくりは人それぞれで、各家庭ごとに違うわけだから、
こうやって様々な払方が用意されていると、大変助かりますよね。
ですが、助かるからとか、払えるからとか、ただそれだけで選択する前に一つ、
その払方で支払ったことによって、その先でどんなことが起きているのかを知っておいて欲しいんです。
なぜかというと、そのことによる損や得が大きく発生しているからなんですね。
なので、これから伝えることを少しだけ、買物で払方を選択する時のヒントにしてみて欲しいので、
払方をしっかりと選択する必要がある理由をお伝えしたいと思います。
今回は少し難しいかも知れませんが、頭を回転させながら読んでみてください。
一括払いと分割払いを一回の支払額だけで選んではならない

皆さんはお買物をした時に、払えるなら一回で支払ってしまいたい!って思いませんか?
それが普通ですし、本来そういうものですよね。
ですが、実は支払いって、あえて分割で支払おう!とか、
ちょっと大変だけど、一括で払っておこうか!とか、
物事によって、この場合は一括が最適だとか、この場合は分割が最適だとか、
それぞれ適切なパターンがちゃんと存在しています。
このように、消費者の都合に合わせて選べるようにしてある払方ですが、
本当は、販売側がより利益を出すために、払方を用意しているだけなんです。
もちろん、その額が支払えないといけないわけなので、仕方なく支払額で選ぶ気持ちも分かります。
だけど、上記の理由から、安いから分割でとかすぐ話が決まるから一括でという感じで、考えないで選択すると、消費者は損をする可能性があるんです。
よって、基本的に支払える人は、用途や物事によって払方を選択することが大切です。
例えば、車を買うときはなるべく一括払いで。
株式へ投資する時はなるべく分割払いで。
貯めたり増やしたりするために払うお金は年払いや月払いで。
借りたり返したりするために払うお金は一時払いや全納払いで。
それでもどうしても、月極契約でないと払えないサービスもたくさん存在しますよね。
これらはなぜそうしてあるのかというと、
毎月払ってもらうお金を資産運用に回したり、
期間の定めがないから一括だと割戻せなかったり、
実際の使用料で料金を計算する変動性だったりと、
月額料金で払うってもらう方が、ちゃんと利益が出せる様になっているからです。
なので結局、払方って、業者の都合で決めているんですね。
その都合が、消費者の良いようにではなく、販売側の良いようになっているということだったんです。
それでは、これを踏まえたうえで、それぞれの払方の特徴や、
メリットデメリットを解説していきたいと思います。
一時払いと年払い・月払いのメリットデメリット
一時払いとは
一時払いとは、代金を一回で支払う方法です。
生活上のいつもの買物レベルであれば、この一時払いで支払って購入していますよね。
ただ、合計金額が何百万円〜何千万円にもなる買物では、さすがに一時払いで買えないことが大半だと思います。
なので、言い方を変えれば、一時払いは一括払いのことをいいます。
ちなみに、金融商品(特に積立型保険)には前期全納払いという、
全期間をまとめて一括で支払っておいて、本来毎回支払うはずだったその時期が来たら、
その回の分だけ取り崩して充当していくという特殊な払方も存在しまして、
これにも特有のメリットがあるため、用意されています。
前期全納払いの特徴やメリットのことは、また次回にでも説明してみたいと思います。
一時払いのメリット
一時払いの最大のメリットは、やはり、その後に支払いが残らないから、
のちの生活のやりくりがしやすいというところです。
一括で支払えるお金が用意できるのなら、支払ってしまったら、
その分はもう考えなくてもいいですからね。
一時払いのデメリット
一時払いのデメリットは、基本的な日々の買物には特にありません。
ではどんなことにデメリットがあるのかというと、資産運用や投資をする時です。
何が言いたいのかというと、買った物の価値が上がったり下がったりするもの、
いわゆる、金融商品を買う時には、一時払いをしない方がいいんです。
金融商品は、利益を生み出すことを狙いにして買うことがほとんどなので、
上がり下がりする価値の中では原則、分割して投資をした方が、平均して利益が出る回数が多いことからです。
これを一回で買ったとして、結局その物の価値が下がってしまった場合、
もっと下がらないようにと思って売ってしまったとしたら、
そこでいくらか失って損してただ終わるってことになりますしね。
ただし、元から利益が生まれないもの(消耗することで価値が下がるばっかりな物)を買うときは、
なるべく一時払いで買うほうがいいですよ。
それには、ローンを組んだりして物を分割払いで買えば利息が発生しますし、
その利息分を、購入した物が利益を生んでくれて利息分をまかなえることにならない以上、
より支払額がかさんでしまうからです。
年払い・月払いとは
年払い・月払いは、いわゆる分割払いです。
生活に必要なインフラに対しての使用料などは、使用期間を定めて供給してもらうものでは無いことから、毎月支払いますよね。
固定費となれは、毎年の支払いにできるなら、年払いの方が月払いと比べて安かったりしますよね。
これも、販売側が一回に受け取れる金額が大きいと、
販売側が資産運用をしているために、利率に対して投資金額(元本)がデカいと利益が大きいことから、
消費者に還元され、その還元方法として値引を選択しているからです。
年払い・月払いのメリット
まとまったお金が無い時、毎年や毎月に支払えばいい形にすると、一回の額が少なくて済むことろです。
他に、毎月の給料に合わせて支払えたり、ボーナスの支給に合わせて支払えたりと、
収入のタイミングに合わせることができるので、やりくりがしやすい点ですね。
そして、お金を貯めたり増やしたりでは、一回でお金を拠出するより、
何回かに分けて拠出することで、利率変動や物価変動の影響をモロに受けにくくなるのです。
年払い・月払いのデメリット
ザックリいうと、一時払いに比べて、余分な費用を払うことがあります。
前項でお伝えした通り、基本的に一回で支払える払方がある買物や消費金銭契約では、
分割にして精算をすると、決まって利息たるものや、販売側の資産運用の関係で、
消費者側からそのための費用まで請求するからです。
金額が固定されている支払い(利率固定型保険・固定金利型ローン)などでは、
一時払いや前期全納払いと比べたら、支払う総額が必ず高くなります。
利子・利息の効果が発生している買物や契約ごとは、
割れば割るほど、多く発生します。
一時払いと分割払いは、物事によって払方を使い分ける
投資の場合(お金を支払ってから後に受け取る場合)

これは、投資に関しては、分散して投資をすることで、
今回は下がった・今回は上がったなどの値動きに対して、
結果的に平均を出して計算してみたら、元本への影響が少なくなる。という原理があるからです。
これを、ドルコスト平均法といいまして、上記で解説した、分散投資の原理が働くからなんですね。
ドルコスト平均法とは本来、定額投資法というのですが、
毎回同じ金額を投資することで、毎回の投資のたびに勝ち負けが発生して、それがまばらに現れた場合、
これを全期間分の元本とその利益や損失を全て合計して、投資した回数で割り平均を出すと、
結果的に利益が出ているという法則です。
なので、こちらからお金を支払ったことで、将来そのお金をまた受け取るような事柄においては、
なるべく分割で支払いましょう。
返済の場合(お金を受け取ってから後に支払う場合)

先程のドルコスト平均法って、支払いの方向を真逆にしたら、ローンを借りて月々返している場合でも当てはまりませんか?
要は、自分達から見たら、相手側にお金を出したか受け取ったかだけの違いであり、
最初に受け取ってその後返すので言えば、毎回定額で返していくと、
相手側はより長い期間に利息をかけて行けるので、より多く集金できるわけです。
元利均等返済がこれにあたります。
よって、一回や少ない回数で返すようにした場合では、
利息が発生しなかったり、利息の合計額が少なく済んだりします。
これらをまとめるなら、相手側に利益が生まれるのであれば、自分達はその分の損失が生まれますよね。
どうであれ、支払いは一時払いに近いほど、
利益は発生しにくく、損失も発生しにくくなるのです。
以前こちらの記事で、ローンのことについて詳しく解説しているので、よかったら合わせて読んでみてくださいね。
まとめ:その払方の理由を知り、使い分けること

払方が選べることや、収入のタイミングに合わせて支払いができることは、
消費者の私達にとっては非常に便利で助かりますが、
消費者に優しいようで、実際はどちらかといえば、
収入を得る側(販売側)が売り上げを効率よく上げるために用意していたというオチでした。
なので、提示された額が無理なく払える人はなるべく、
- 買物などの消費へは一括で払う(物の価値が劣化によって下がっていくもの)
- 資産運用や投資へは分割で払う(物の価値が相場によって変動していくもの)
そうすることがおススメです。
保険でもそうですね。
定額保険は消費と考えられて、一時払いや全納払いの方が累計保険料は安くなりますし、
変額保険は投資と考えられて、年払いや月払いの方が貰える金額は多くなりやすいです。
そして、お金を借りるローンで例えれば、一括で返済すれば利息はありませんし、
お金を突っ込む投資で例えれば、ドルコスト平均法(定額投資法)で分割投資したら
平均して勝てることから、一括投資より配当金や分配金が増えることになりますし、
そのことから、
マイナスが発生する物事には一括
プラスが発生する物事には分割
で支払った方がいいと、覚えておくといいでしょう。
改めて伝えておきますが、これはあくまでも可能であればそうした方がいいという話なので、
決して無理をせず、自分達が支払えるペースを選んで精算をして行ってくださいね。
どちらにせよ、一括精算は影響が出た時に煽られやすく、
分割精算は長い期間、地味な影響をいつまでも引きずるので、
生計においては、どちらかの払方に偏らせず、ちゃんと物事によって使い分けて、
払方も分散しておきましょうね。
豊かに暮らしていくためには、何事も「分散しておくこと」です(^^)
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