会話は、誰でも当たり前にやっている、日常の行為ですよね。
ですが、会話は人間の行動の中で、実は一番難しいんです。
なぜかって?それは、お金と同じくらいに、性質がハッキリしているものだからです。
言うなれば、物理並みに決まった法則があって、
それに当てはめて話をすれば、キレイにオチを付けることができます。
だから、話し方はコミュニケーション教室で教えているメニューだったりします。
これが会話に性質と法則がある証拠であり、それが解明できているから
授業にして教えることができるんです。
…そんなうんちくはさておいて、今の私の文章の順番、いかがでしたか?
どのように伝わったでしょうか?
じつは先程の文は、結論から伝えて行っていたのです。
きっと、内容に関心があった人でなくても、少なからず
「それで?」「それから?」「そして?」という風になり、
「その話はもういいから」という風にはならなかったのではないかと思います。
ここまでで、もう300字以上を使って話をしているのに、
そんなヴォリュームは感じられなかったのではないでしょうか?
これは、話しの仕方・話の順番を工夫するだけで、
相手への伝わり方が大きく違ってくるということをしっかり伝えたくて、
そのようにして書いていきました。
結論から伝えただけなんですね。
そうすることで、自然と話が進みやすく、
ここで行っているライティングにおいても同様に、
スラスラと書けてしまうこともできてしまいます。
今回は先程のように、会話を進める時に結論から話すとどうなるのかの、
具体的な効果とその大切さを、話し長めに伝えていきたいと思います(笑)。
(この後の本文も、ちゃんと結論から話しているのでご安心ください)
会話を結論から話すことの大切さとは

会話の前段で、経緯の説明や理由の説明から入る話し方をすると、どうしても分かりづらい会話となってしまうのですが、
それは、話の道筋が見えないことで、会話の内容から像をイメージすることが難しくなるからです。
そして実際、会話の結果(文節のオチ)がなかなか見えない状態で話を聞かされた場合、
話の途中から、「なんか分かりにくいなあ」という感情が発生し、
それが伴い、ますます理解ができなくなっていってしまいます。
なので会話では、結論から先に話して、その後に本論を話した方が、
相手も自分で話の道筋をイメージしようとし、それにより次が気になり出し、
自ら続きを聞こうとする姿勢を生むことに繋げられるようになります。
人は情報を受け取ると、自分の脳の中で情報を変換して、自分のことと照らし合わせたりしながら
「理解」という作業をします。
実はコミュニケーションとはこの、「理解する」という結果が発生しない状態で続けてしまうと、
ストレスを感じたり、相手が仲間・味方だと認識できなくなり、防衛本能から
これを回避したいという気持ちが生じてしまいます。
普段している会話でも、話が長いと感じる人との会話では、
あなたの方は、「いつまでも結論を伝えてくれない話し方をされているなあ」と、
もう肌で感じていたのではないでしょうか?
結論から話すと、こんなことが起きる

改めて、結論(答え)から話しを始めると、これがどうなると思いますか?
なんと、聞かされた側に一旦、「それはどうして?」と気になる気持ちを発生させることができるため、
話の伝わる度合いをより高めることができるんです。
極端なことを言えば、この結論を最初に端的に、一文ほどの長さで発した後にちょっとだけ、
話を止めて、無言の「間」を作ってみてください。
こうするとどうなるかというと、この直後、99%相手から質問の形で会話が再開されるのです。

話したいことがあるんだ。

…(無言)

……何の話?
こんな感じで、相手から質問形式で会話が返ってくれば、もうお分かりの通り、
相手は続きが気になって、「聴きたい」という気持ちのスイッチが入っている状態が確認できますよね。
こうやって、相手がモードに入っていれば、こちらが伝えたいだけの話だっだのに、
相手が聴きたい話へとシフトできるため、双方、自然と話題が共通しているような感覚にまでなり、
その後の会話の盛り上がり方や、会話の内容の理解度や共感度が格段に上がることに繋がるのです。
皆さんもよく感じると思いますが、この「聴きたいスイッチ」がONになっていない状態で
相手から長文で会話をされている時って、途中から他のことを考えていたりしませんか?

あー、話が長いなあ…
とか、

そういえば、この人はいつも話が長い傾向があるから、
どこかで話が切れる隙間を狙わないと…
とか、
話の内容より話の形が目立っては、そこから焦点が離れなくなってしまいますよね。
このように、聞かされている側だって、自分を入れて(自分のことや気持ちを交えて)話がしたいから
その会話を聞こうとしているわけなので、意識してでも話に切れ目を発生させてやり、
順番を交代しながら会話していかないと、話している側の自己満足となってしまえば
聴いている側が聞いたフリで終わるしかできなくなることから、話をする時はなるべく
- 短く
- 端的に
- 結論から逆順で
会話をするようにしてみてください。
まとめ:この大切さは、昔の自分が教えてくれたことだった

私が今回、この記事を書いたのは、
私自身が昔よく、「会話が長くて、重い。」と指摘されることが多かったからなんです。
そして、保険代理店をやっていた頃から自分でも痛感していた、
「丁寧に説明しているのに、お客様が首をかしげながら難しい顔をされるのはなぜだろう?」
という疑問を抱いていたことが多々あったからでした。
私のような職業では、お客様に分かりやすく必要性を伝えては、安心してサービスを選んでいただく
ことが求められていて、それが達成されないと、ご契約に至ることは極めてありません。
なので、気持ちを込めて、一所懸命に丁寧な説明を心がけるのですが、それなのに結果は裏腹となるばかりだったんですね。
このことがきっかけで私がコーチングを学び始めたことは今までもお伝えしていますが、
聴くことのさらに向こうにあるものが、「伝える」ことでもあり、
伝えることも上手くできないと、コミュニケ―ションから行動を促すことは難しいのです。
どうやら私は、細かく説明しようとしていたあまりに、
お客様からしたら難しい、深いところまで説明していて、
「今はそこまでは知らなくても、結論を知ることができたら良くて、分からないことや訊きたいことが出てきたらまた問い合わせするから」
という気持ちまでを、聞き取ることができていなかったということでした。
そして、ロープレをやっていた時に、相手役の先輩から言われたのは、
「もっと一言を短めにして、一回で全部を言わないようにして、情報量が多くないように伝えないと、
お客様はこの分野のあれこれを知らないわけだから、情報量の重さで潰れてしまうよ。」
と感想を言われて、凹むことがよくありました。
力を込めて話をしたり、最初から最後まで説明をしたり、それは素敵なことなんですが、
結局は、相手の受け取り方や関心事は、決して同じ度合いではないことを認識しておかないと、
頑張りが裏目に出て、力を入れたその分、ショックが過大になるんです。
だから、力は抜いて、周りが見える状態で、
短く・端的に・結論から逆順で話すことで、
話の中身が誰にでも捉えやすい、取り扱いやすい話にしなければ、
伝えたいことがちゃんと届くことはないことに気づいたんです。
それからの私は、自分では言葉が冷めているように感じてしまいながらも、
ちゃんと作法に乗った話し方をするように、いつも心がけています。
お陰様で、話し終わった後に疲れたなと感じることが格段に減ったので、
自分にも良い効果がもたらされるくらい「話し方を見直してよかった」と
実感しています。
会話は、話があれこれと飛び散ったり、主語が無く述語だけで伝えられたり、
話している途中に割って入られたりすると、伝わり切ることはありません。
それに、自分の言いたいことが強いと、話し方に力みが出てきますので、
やはり、先ずは聴くことに集中することで、力を抜いた自分にできるかも知れませんね。
P.S:
本日の文字数は、全部で3582字でした。
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